縞田理理の《とろいのです》。

本、音楽、映画、オヤツなどについてちょびちょび 書いていきたいな~と。感想はネタバレなしの方針で。

『すべての幻はキンタナ・ローの海に消えた』

またジェイムズ・ティプトリー・jr.の新刊が読める日が来るなんて思いませんでした。長生きはするものです。
『すべての幻はキンタナ・ローの海に消えた』ファンタジー短編連作です。他のティプトリー作品のような食道を焼く熱さはありません。
タイトルがすべてを表している、といえるでしょうか。純然たる意味のファンタジーではありません。もちろんSFでもない。寓話……だとすると何の寓意なのか。
ページを開くと乾いたユカタンの風と潮の匂いが溢れ出します。柔らかな文章はそのままユカタンの浜辺と人間には計り知ることの出来ない世界とを境目無く結んでいきます。そこには人間的な善悪はありません。寓話的でありながら寓話ではないと思えるのはそのせいでしょうか。


すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた
すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (2004/11/09)
早川書房

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ジェイムズ・ティプトリー・jr.は一番好きな作家の一人です。でも私のプロフィールの「影響を受けた作家さん」の項目には入れてありません。「影響を受けた」なんてとてもじゃないけど言えないですよ……(コードウェイナー・スミスも同じく……^_^;)。
ティプトリー作品で最も知られているのは「たった一つの冴えたやり方」じゃないかと思います。ファーストコンタクトSFですが、とにかく泣けます。これからお読みになる方はティッシュペーパーを一箱用意してから読まれることをオススメします。
でも、私が一番好きなのはたぶん「愛はさだめ、さだめは死」。ムカデ型(だと勝手に思っている)異星人の愛と死を描いた名作短編。人間なんかカケラも出てこないんですが、最初に読んだとき訳が分からないくらい感動しました。今でも今まで読んだ本のなかで「一番すき」の一つです(済みません、やっぱり一つには絞れません)。
どちらもハヤカワSF文庫です(←またもハヤカワの回し者に……^^;)

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プロフィール

しまだ

  • Author:しまだ
  • 万年駆け出しのファンタジー小説家。湿った日陰や本棚の隅っこでほそぼそ生きてます。
    ウィングス小説大賞出身。入選作は「霧の日にはラノンが視える」ですが、「裏庭で影がまどろむ昼下がり」が2001年11月10日発売の小説ウィングス秋号に先に掲載されたのでこちらが実質デビュー作。
    好きなものはケルトと妖怪と動物と怪獣。

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