縞田理理の《とろいのです》。

本、音楽、映画、オヤツなどについてちょびちょび 書いていきたいな~と。感想はネタバレなしの方針で。

Cruel Sister

下の記事で需要ないかも~と言いつつ書いちゃいます(^_^;)
The Pentangle の《Cruel sister》。
この曲については《バラッドの世界》の項目で既に書いていますが↓
http://ririshimada.blog4.fc2.com/blog-entry-299.html

収録アルバムがまだAmazonにあるようなのでもう一度。

Cruel Sister Cruel Sister
Pentangle (2001/07/23)
Castle
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ペンタングルは英国モダン・トラッドの最高峰の一つと言われるバンドです。70年代に実験的な曲も作っていますが、このアルバムは正統派トラッド。いわゆるバラッドです。
バラッドとは物語性の強い歌謡のことで日本語では譚詩曲とか譚歌という字が当てられます。曲目は以下の通り。

1.Maid That's Deep in Love
2.When I Was in My Prime
3.Lord Franklin
4.Cruel Sister
5.Jack Orion

バート・ヤンシュの先鋭的なギターの音はこのアルバムでは後ろに控える感じで、ヴォーカルを邪魔せず、しかし包み込むような優しさ。どの曲も非常に物語性が強いのですが、4番目のクルエル・シスターと5番目のジャック・オライオンは演奏・歌・詩ともに圧巻です。

その内容はこんな感じです
「クルエル・シスター(残酷な姉妹)」
 
北海のほとりに二人の姫がいた
1人の騎士が妹姫を愛しながら姉姫に求婚
騎士の心を知った姉姫は妹を海に突き落として殺害する
吟遊詩人が妹姫の遺骸を拾い、骨と髪でハープを作る
吟遊詩人は姉姫の結婚式に招かれる
妹姫の骨のハープがひとりでに歌い出し、姉を告発

……というもの。スゴイでしょう?
これが実に美しく淡々としたメロディーで歌われるのです。ケルトの悲歌の伝統にのっとり、決して歌い上げず、悲しみを一刷毛ずつ薄色で塗り重ねていきます。

五曲目、ジャック・オライオンの方は18分38秒もの大曲で、こちらは伝統歌の形式から少し外れたアレンジでドラマチック。曲に込められた「物語の力」を見せつける名演奏です。

内容は中世物語によくある「暗かったので相手を間違えた」です。(アーサー王物語にもありますよね)しかし、これは事故ではなくて意図的に仕組まれたもの。
超人的なフィドラー、ジャック・オライオンと彼を見初めた姫の悲劇の物語です。結末は悲惨で、姫は自害、闇に乗じて姫を穢した従者はジャックに斬り殺され、残されたジャックも自害。この物語が1スタンザ(連)ごとに一段ずつ階段を上り詰めるように進んで行きます。18分という長丁場なので途中長い間奏が入るのですが、間奏が終わって再び歌が始まると物語は緊迫の度を増し、目の前に血に塗れたその情景がありありと浮かぶようです。

息詰まるように美しく、何度聴いてもながらで聴くことが出来ず、結局最後までまた聴いてしまいます。それほど惹きつける力が強いのです。これが歌の魔力なのではいかと思いますね……。





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プロフィール

しまだ

  • Author:しまだ
  • 万年駆け出しのファンタジー小説家。湿った日陰や本棚の隅っこでほそぼそ生きてます。
    ウィングス小説大賞出身。入選作は「霧の日にはラノンが視える」ですが、「裏庭で影がまどろむ昼下がり」が2001年11月10日発売の小説ウィングス秋号に先に掲載されたのでこちらが実質デビュー作。
    好きなものはケルトと妖怪と動物と怪獣。

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