縞田理理の《とろいのです》。

本、音楽、映画、オヤツなどについてちょびちょび 書いていきたいな~と。感想はネタバレなしの方針で。

《ドラキュラ紀元》三部作。

なんか既に入手困難になっているみたいですが、まだ画像だけは三冊ともあるので今のうちに貼ってみます。

《ドラキュラ紀元》シリーズはある意味でヴァンパイア文学の集大成。過去に存在したすべてのヴァンパイア作品へのオマージュ、とも言える大作です。
骨格となる部分は「もしもヘルシングがドラキュラに負けていたら」という架空世界におけるifもの。ドラキュラ支配下に置かれた異形の英国史です。このifの歴史にありとあらゆるヴァンパイア作品のキャラクターがこれでもかこれでもかとばかりに詰め込まれ、その上にオリジナルのキャラクターが乗っているのですからそれを纏めあげた作者の力技には感歎するほかありません。そして、オリジナル・キャラクターの外見14歳、実年齢450歳(だっけ? そのくらいですよね)のジュヌビエーヴが非常~~に魅力的なのです(^_^)
相手役となるボウルガードという男のキャラクターがまた際立っています。三部作のうち、二巻にあたる《ドラキュラ戦記》のみはジュヌビエーヴがほとんど登場せず、その代りに原作の《ドラキュラ》でストーカーが作ったけれど使わなかったキャラ、眼鏡っ娘のケイトが主役を張っています。このケイトのキャラクターがちょっと弱い。そのため、二巻は他の巻に比べると印象が薄くなっています。情報量は一番濃いかも知れませんが。



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この三部作はそれ以前のヴァンパイア作品へのオマージュですが、以降のヴァンパイア作品にも多くの影響を与えていると思います。例えば「闇の母」や「子(ゲット)」という語はこの作品が最初ではないかと思うのですが(これより古い例をご存知の方は教えて下さい)。またヴァンパイアの「血統」という考え方もドラキュラ紀元が最初のような気がします。それ以前の作品には一種類のヴァンパイアしか登場しないのが普通でしたし。

巻末の登場人物解説だけで各巻数十ページずつあるので、ヴァンパイアミニ事典としても有用です。ヴィクトリア朝、架空歴史、ホラー、陰謀がお好きな方にもオススメです……三冊ともレンガ本ですが……(^^;)




*Comment

わたしは二巻が好きです 

 というか、一巻と二巻、かなぁ。リヒトホーフェンが、かっこよくて~(そういう理由か!)
 三巻は期待し過ぎちゃったのか、いまひとつ……という印象が残っています。
 いま読むと、また違う感想を抱くかもしれないですね。
  • posted by うさぎ屋 
  • URL 
  • 2006.05/30 01:32分 
  • [Edit]

ドラキュラ紀元シリーズ 

良いですよね~。

読んでいて興奮するのはやはり一作目なのですが(笑)、2作目のポーとレッドバロンのエピソードもけっこう好きなのです。『ドラキュラ戦記』ではドイツ側が目立っていたので、英国側はちょっと印象が薄かったかな。あとはやはりジュヌヴィエーヴ嬢に比べるとケイトのキャラクターがちょっと地味だからなのかとも考えてみたり。個人的にはケイトを気に入っているんですけども。
そういえば、ジュヌビエーヴ嬢が出てくるキム・ニューマンの別名義の作品『ドラッケンフェルズ』も読んでみたいと常々思っておりましたが、こちらも既にかなりの入手困難本ですね(涙)。アマゾンのマーケットプレイスでは非常な高値がついていました……(涙)。
  • posted by 羽鳥 
  • URL 
  • 2006.05/30 01:38分 
  • [Edit]

いらっしゃいませ~。 

>うさぎ屋さん
リヒトホーフェンですか~。怪物性の純度を極限まで高めたような人でしたね。ある意味、潔いというか。私はコスタキがけっこう好きです。あと、出番あまり無いですがドレイヴォット。三巻は物語のラインに別のものを混ぜてしまったせいか途中だれましたが、女三人が手に手をとるラストは好きなんです。ペネロピの成長が意外なボーナスという感じで。

>羽鳥さん
そういえば、ポーも出てたんですよね。なんと豪華なキャスト(笑)。《戦記》ではケイトが薄いという以上にウィンスロップのキャラが好きになれなくて……。物語にロマンスを求めない私でもケイトとウィンスロップがもうちょっと心情的に近しくなれば……と思いましたよ。結果的に別れることになったとしても。ケイトは三巻で良くなりましたよね。
「ドラッケンフェルズ」、ジュヌビエーヴが出てるんですか~~それは読みたいですね……再版されないかなあ~。

そういえば、後書きに4巻執筆中みたいなことが書いてありましたが、どうなったんでしょうね……。

  • posted by しまだ 
  • URL 
  • 2006.05/30 10:29分 
  • [Edit]

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プロフィール

しまだ

  • Author:しまだ
  • 万年駆け出しのファンタジー小説家。湿った日陰や本棚の隅っこでほそぼそ生きてます。
    ウィングス小説大賞出身。入選作は「霧の日にはラノンが視える」ですが、「裏庭で影がまどろむ昼下がり」が2001年11月10日発売の小説ウィングス秋号に先に掲載されたのでこちらが実質デビュー作。
    好きなものはケルトと妖怪と動物と怪獣。

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